夕暮れに鋪道のちょっとした植込みから、虫の声が聞こえてくると、真昼は青空に入道雲もどきの出ている炎天にも拘わらず、秋は気づかれないようにそっと近づいてきているのが感じられます。
1週間もしないうちに、こんどは日も短くなってきたのがはっきりとわかります。また、昨日のように雲が厚く、薄暗く、湿った夏の名残の風が吹く中にも、一瞬ヒヤッとする風に秋を覚えます。こうなってくるとどことなく寂しげでもあります。
秋風が吹いてしまうのを恐れるかのように、種を蒔き遅れたヒマワリがようやく蕾をつけ始めました。花はまだ間に合うでしょうか、少し心配です。
ヒマワリ達は小生とは逆に暑くても、もう少し夏空でいてほしいと思っているに違いありません。来年はもっと早く蒔いてあげましょう。
不思議とコロナがあろうが、何があろうがおかまいなしで、少しのズレはあっても季節は着実に巡っていくのですね。
さて、世界の株式市場にも、いよいよ秋風が吹き始めたのでしょうか。米国では8月末に最高値をつけたテスラ株を筆頭に、急上昇の後に見舞われた株価急落は米ハイテク株の調整と云われていますが、単にそれだけではなさそうです。今後の市場の行方は果たして、どうなるものか、コロナワクチン、大統領選、米中対立etc.と、要素が多く誰にも市場は読み切れてはいないものと思います。
コロナ危機以降、主要中央銀行の大規模緩和マネーがあふれ、金利が低下する中で、テスラ同様8月末に過去最高水準に達したのが米上場投資信託ETFです。なにせ世界の主要市場に上場するETFの総資産が約742兆円に達したと云われています。
株式市場に吹く秋風は、自然のそれと異なり、しのび寄るのではなく、なにかの切っ掛けで一気に吹き、市場の熱気を急に冷やします。
FOMC(米連邦公開市場委員会)の会合が15日から、11月には米大統領選もありますし、日本でも16日から日銀の金融政策決定会合が予定されています。その結果次第で秋風が早く吹くかもしれません。
これからの世界や日本の株式市場は、大きく変動するのではないかと気にかかっています。
本日も、小生のブログにアクセス頂き、ありがとうございます。
一方、不動産市場に秋風が吹くかを考えてみたいと思います。
過去数年にわたって不動産市場は過熱しているといわれ続けてきました。確かに小生も、ここらあたりかなと考えたことは何回かありました。しかし、市場は崩れることもなく推移してきたのです。そこに今度はコロナショックが突然、襲い掛かったのですから、今度は暴落間違いないだろうと事実思いました。
2019年以降、確かに株式市場も、不動産市場もピークを迎えたと小生も考えていました。しかしここで青天の霹靂とも云うべきコロナショックです。GDPや景気は押し下げられましたが、マイナス金利であったところに異例中の異例の大規模な金融緩和が重なり、しかもどうも長期化しそうだとなると、コロナ緩和資金で底上げされた状況がもう少し続くのかもしれません。
日本の不動産の時価総額のピークは1990年の平成バブル時で、その後10年強で、約1,000兆円の泡が吹き飛びました。その時金融機関が貸付けていた不動産担保資金が焦げ付き、金融機関を公的資金で救済したことがあります。
今回はコロナショックの政府経済対策である、第二次補正予算で家賃支援給付金を支出しました。これは結果的に不動産市場への公的資金注入と同じ効果だと考えられます。DCF(不動産の割引現在価値)で不動産価値を見る時の価格を支える賃料を公的資金で救済したことになると考えるからです。
そうは云うものの不動産市場は、少しのズレがあっても一定の周期(15~20年)で循環します。コロナショックがいつまで続くか判りませんし、公的資金もいつまで続くか判りません。ここはいつ秋風が吹いてもよいように、慎重に対処すべきと考えます。
本日のボンドランチ
秋味(しゃけ、きのこ、さつま芋)弁当