2022.07.19社員ブログ

3区は灰燼に帰し・・・・

本日もアイボンドブログをご覧いただきまして誠に有り難うございます。

 歴史を遡りますと、今から1958年前の64年7月中旬から下旬にかけて、ローマで大火が起こり、市の14区のうち10区が焼かれました。3区は灰燼に帰し、7区は倒壊した家の残骸をわずかに留める程度だったそうです。当時、多くの建物はコンクリート造や石造でしたが、内部の床や天井は木材を使用していました。また、人口100万に急増したローマは4階建て以上の集合住宅が密集する高密都市になっていました。大火後の新都市計画では、道路幅を広げ、建物を4階までに制限し、中庭の設置が義務づけられています。床の木材使用が禁止され、天井には石材が奨励されました。

今年4月下旬、欧州委員会は、2030年までに気候中立(クライメイトニュートラル)かつスマートシティへの移行を目指すEUの都市ミッションに参加する100の都市を公表しています。パリやミラノのほか、英国のブリストルやグラスゴーなどEU圏外の国からも12都市が選出されました。クライメイトニュートラルは、ほぼカーボンニュートラルと同義ですが、二酸化炭素などのカーボンに焦点をあてるカーボンニュートラルに対し、クライメイトニュートラルはカーボンだけではなく、メタンや一酸化窒素といったすべての温室効果ガスを対象としています。

EU市民の4分の3は都市部に暮らしており、世界的にみると、都市部はエネルギーの65%以上を消費し、二酸化炭素排出量も70%以上を占めています。クライメイトニュートラルへの移行を目指すためには、都市が実験とイノベーションの生態系として機能することが重要です。今年から来年にかけて、このプロジェクトには、3億6000万ユーロの資金提供が投入されることになっています。選定された100都市は個別のアドバイスや追加融資の機会を得られるほか、パイロットプロジェクトへの参加といった恩恵を受けることができます。1月末に締め切られた募集には枠を大幅に上回る377都市の応募がありました。関心の高さを踏まえ、落選した都市に対しても資金提供などの支援がおこなわれる予定です。

 気候変動に伴う近年の自然災害の激甚化・頻発化などにみられるように、地球温暖化対策は日本でも喫緊の課題であり、国際的にも脱炭素に向けた機運が高まるなか、2050年のカーボンニュートラル実現は重要な政策目標となっています。温室効果ガスの削減にあたっては、地域の特色を生かしながら、エネルギー消費量の抑制や再生可能エネルギーの導入を図っていかなければなりません。特に東京を含む首都圏は、世界的にみても有数の規模をもつ高度に発達した大都市圏であり、人口や社会インフラ、第3次産業等の集積により、多彩な活動がおこなわれています。一方、コロナ禍の影響から日常生活が大きく変化するとともに、在宅勤務の拡大など、デジタル化を前提とした社会への転換が進行中です。首都圏には、このような社会情勢の変化を脱炭素加速化の好機として捉え、イノベーションの推進や社会の新たな仕組みの構築を通じ、日本の脱炭素化を先導していくことが求められています。例えば、関東地方の平均気温は半世紀あたり1.2℃のペースで上昇しており、首都圏を中心に都市化の影響によるヒートアイランド現象もみられることから、これらの環境変化に対応するとともに、都市の特徴や都市活動の動向を踏まえ、脱炭素化に向けた取り組みを実施していかなければなりません。東京都心部に本拠を構える弊社も、微力ながら、本業である不動産賃貸業を通じて何らかの役割を果たしていくつもりです。

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